後悔病棟【2020年読了⑥】
垣谷美雨さんの「後悔病棟」を読みました!
垣谷さんの本を読むのは「老後の資金がありません」に続いて二冊目です。
「老後の資金~」は、ふだん向き合うことを避けてしまいがちだけど、いつ誰が直面してもおかしくない老後資金をめぐる家族のいざこざを描いた現実味の溢れるお話で。
あまりのリアリティーにあっという間にのめり込んで読んでしまったのですが😂
今回もタイトルだけ見て、きっとまた誰もが避けて通ることのできない、怖~い現実を突き付けてくるような物語を期待して読み始めました( *´艸`)
が、ちょっと趣向が違っていました。
~末期ガンの患者さんが不思議な聴診器を通して人生をバーチャル的にやり直せる物語~
”いつか死を迎えること”は現実的な話だけれど、”タイムスリップして人生をやり直す”という非現実的な設定に「入り込めないかも。ちょっと違ったかなー」と思いながら読み始めたのですが・・。
誰にでもありますよね、『あの時ああしてれば・・』とか、『こうしていればよかった・・』という後悔が。
しかも自分の命が残りにわずかとわかったなら余計その思いは強くなることもあると思います。
読み始めてすぐは、あり得ないけど人生の別の選択肢をやり直せるなんて夢のよう!羨ましい!!と思いました。
自分ならいつに戻りたいか、真剣に考えたりして(^o^;)
ただ、読み進めるうちに、別の道を選んだら選んだで新たな問題が出てきたり、もしかすると現状の方がよかったかもと思うような顛末が待っていたりして。。
あり得ない設定と思いながらあっという間に感情移入して、もうひとつの人生をやり直し、問題に直面する登場人物にハラハラドキドキしてしまいました(^^;)
そして読了後の感想は、人間てどうも無い物ねだりをしてしまうけど、結局は別の道を選んでも同じように不満がでてくるものなのだと。
物語の登場人物たちは、バーチャルでもう一つの人生を見ることでそれに気づき、自分の選んだ人生を受け入れることができるのですが、現実にはもちろんそんなことはできないわけで。
だけど、当たり前だけど過去に戻ることはできないし、たとえ戻ってやり直せたとしても同じように別の道を選んだ場合を考えて後悔するのがオチなのだと思いました。
一見ファンタジーかと思いきや、
過去には戻れない。現状の不平不満を”たられば”で後悔しても仕方ない!前を向くしかない!!
という現実に気づかされる一冊でした(#^.^#)
最後までお読みいただき、ありがとうございました★